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個人的におすすめなアルバムの紹介です(´∀`)


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Lee Morgan『The Last Session(Album)』(Blue Note)

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01, Capra Black
02, In What Direction Are You Headed?
03, Angela
04, Croquet Ballet
05, Inner Passion Out

Tp&Flh: Lee Morgan
Ts&Alto-fl: Billy Harper
Fl: Bobbi Humphrey
Tb: Grachan Moncur Ⅲ
Pf&El-p: Harold Mabern
Bas&Perc: Reggie Workman
El-bas: Jymie Merritt
Drs: Freddie Waits
Recoeded September 17th&18th, 1971, New Jersey

前期Morganのベストが以前に紹介した『Here's Lee Morgan』で、後期Morganのベストはこの『The Last Session』とも『The Last Album』とも呼ばれるアルバムだと思う。正式名称はおそらく『Lee Morgan』。
前者が文字通り、そのキャリアの前半においての頂点(ベスト)であったのに対し、こちらのアルバムはMorganの音楽性がまだまだ上り坂の途中だったはずのアルバムだ。もしMorganがこの録音の5ヶ月後に凶弾に倒れなかったとしたら、坂を登り続ける彼の姿がアルバムとして残されることだったろうに。
『The Sidewinder』に始まる後期Morgan時代だが、そのジャズロック路線のヒットが皮肉にも足枷となり数年間は音楽的に停滞することとなる。しかしプレイ自体は停滞期においても素晴らしいが。そしてその音楽性が再び進化し始めるのが60年代末、ソウル派、ブラックミュージック派のミュージシャン達とセッションを共にするようになってからだ。リーダー作においては1970年録音の『Live At The Lighthouse』でのBenny Maupinの起用で変化の兆しが見られ、このアルバムのBilly Harper起用でしっかりとした方向性が定まったという感じである。まさにこれから新しいコンセプトで作品を作っていこうとしていた矢先の死だったわけで、返す返す残念で仕方がない。

さてそんな発展途上の時期に録音されたといってもいいこのアルバムだが、最初に書いたように出来は後期の作品群の中で一番の完成度を誇る。その鍵はやはりBilly Harperの参加が大きいと思う。テーマのアンサンブルにしてもソロにしても圧倒的な存在感をほこり、Shorterからの影響を色濃く受けたことがわかるそのプレイと作風(1,4曲目はHarperのオリジナル)はMorganを喰ってしまっているんじゃないかと言うほどの快演、いや怪演か。

そのHarper作の「Capra Black」と「Croquet Ballet」だが、この2曲がこのアルバムのハイライトといってもいい。
前者はモーダルな雰囲気の中にShorterが得意としたブラックマジック的雰囲気も盛り込み、独特の曲に仕上げている。ソロ先発のHarperは初っ端からはじけまくりでドスの効いた低音中心に、ときにメロウにときに激しくサックスを吹き倒す。続くMoncurのソロは少し不完全燃焼気味だが、まぁよしとしよう。というよりこのアルバム通してトロンボーンの音量が少し低いのが問題かもしれない。そして次のリーダーのMorganのソロは余裕を感じさせる仕上がりで曲の雰囲気をうまく活かしてフレーズを紡ぎ、完成度の高い貫禄の演奏といえる。迫力でいうとHarperに軍配があがるが構成力でいうとMorganの勝ちだ。また、地味ながら曲を通してWorkmanのベースがいい感じにブラックな雰囲気を盛り立てていてさすがだな、と感じた。
後者の「Croquet Ballet」はHarper自身も後にリーダーアルバム(『Black Saint』)で吹きこみをすることになる曲。3拍子のホーンのアンサンブルがかっこ良い曲でテーマからして好演が期待できる。ここでもソロ先発はHarperで相変わらずの迫力で耳に迫ってくるプレイだ。続くMoncurは持ち味の不思議な浮遊感とでもいう感覚を生かしスペーシーなプレイ。Humphleyのフルートもいい感じだ。そしてお待ちかねのMorganはやはり構成力に溢れ、熱さの中にもほどよいインテリジェンスと落ち着きを忍ばせ、ただただホットにブロウしていた前期とは違った魅力を思う存分発揮している。しかしこの曲のテーマはほんとかっこいい!キメの部分が決まりすぎで怖いくらいだ。
2曲とも各人のソロだけでなくテーマやバックのアンサンブルもしっかり考えて演奏されていて完成度が高い。ただのスタジオセッションではないところが好感的だ。

残念なのがMabernが2曲目で弾いてるエレピがミスマッチ過ぎて少しつらい。Mabernはやはり生ピアノで和音をガシャガシャぶつけるプレイに魅力があるのでエレピではその魅力を発揮出来ていない気がする。George Cablesあたりを持ってくればよかったのに。まぁCables持ってきたとしたら今度は他の曲の生ピアノに迫力がなくなって問題か。

ラストアルバムというにはあまりにも可能性を感じさせる内容で、どうしてもこの音楽性の続きを期待せずにはいられず、ファンの心を捉え続ける名盤。恐らくこの呪縛からはのがれられない。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽
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